2018年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要
2019年8月8日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
この概要は、国民生活センターと消費生活センター等を結ぶ「全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET:パイオネット)(※1)」によって収集した2018年度の消費生活相談情報をまとめたものです。
(※1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデーターベースのことです。
2018年度のPIO-NETにみる消費生活相談の傾向と特徴
★2018年度の相談件数は991,575件で、2017年度(941,341件)に比べ増加しました。「架空請求」の増加が影響しています。
★「架空請求」の相談は、2012年度から再び増加傾向にあり、法務省等の公的機関をかたる架空請求のハガキに関する相談が2017年度より増加している影響で、2018年度は22.6万件と増加しました。また、「架空請求」の相談は、50歳以上の女性に多くみられました。
★70歳以上の相談の割合は、2018年度は24.7%と過去10年間で最も高く、60歳代、70歳以上の割合は近年増加しています。一方、20歳未満、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代の割合は減少しています。
★2017年度と比較して、電話勧誘・訪問販売による電力会社の切り替え等のトラブルがみられる「電気」、通常価格より安い価格で購入したところ、実際は定期購入だったといったトラブルがみられる「化粧品」「健康食品」、暗号資産(仮想通貨)等に投資すれば利益が得られるなどと勧誘される「ファンド型投資商品」において相談件数の増加が目立ちました。
★「通信販売」に関する相談の全体に占める割合は29.9%と、2013年度以降、販売購入形態別で最も高く、「インターネット通販」に関する相談が多くみられました。
2018年度の商品・役務等の特徴
◆増加の目立つ商品・役務等
★商品一般[1位]
「商品一般」は架空請求の相談が増加している影響で、2017年度に比べて約 1.5倍に増加しました。特に架空請求のハガキに関する相談が多くみられました。
★電気[2位]
電力の小売自由化に関連して、電話勧誘・訪問販売をきっかけとした「電気」の切り替えに関するトラブルや、契約している電力会社の事業撤退に関する相談が増加しました。
★化粧品[3位]、健康食品[5位]
通常価格より安い価格で「化粧品」や「健康食品」を購入したところ、実際は定期購入契約だったという相談がみられました。また「化粧品」や「健康食品」などの通信販売業者において、解約申出期間中に連絡が取れず、解約できないという相談もみられました。
販売購入形態ごとにみた相談の状況
★「通信販売」に関する相談の相談全体に占める割合は2013年度以降、販売購入形態別で最も高く、高齢者も注意が必要です。
★「訪問販売」「電話勧誘販売」「ネガティブ・オプション」「訪問購入」では 70歳以上が多く、特に「訪問購入」では 53.0%と過半数を70歳以上が占めています。
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