県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
「呉市消費生活センター」訪問記
呉市消費生活センターは、呉市役所本庁舎1階(市民課内)にあります。
新庁舎の建設工事が始まったばかりの呉市役所で、呉市消費生活センターの相談員さんに、最近の相談状況や関係機関との連携などについてお話を伺いました。
Q.呉市で最近多い相談を教えてください。
A.相変わらず架空の投資勧誘に関する相談が多く、相談者の多くは70~80代の方です。
最近の手口は「封筒が届いたら取っておいてください」という電話がかかってきた後に、実際に封筒が届く劇場型勧誘です。封筒が届いた時点で不安になって相談をされる方が多いです。
11月は、インターネット接続回線の契約に関するものや、アダルト情報サイトの相談も多く、高齢者の方からも多くの相談があります。
Q.高齢者の方からの相談を受ける際に気をつけていることはありますか?
A.トラブルに巻き込まれてしまった高齢者の方は、金銭的被害がない場合でも、自分を責めたり、家族や知人には恥ずかしくて言えないと思っておられる場合があります。そのような気持ちをくみ取りながら、今後どうしたらよいかという対応方法を丁寧に伝えていきたいと心がけています。
また、一度被害にあわれた方は、狙われやすく、何度も被害にあってしまう可能性があります。二次被害についても説明した上で、呉市消費生活センターの名称と電話番号の入った啓発グッズを「見える所に貼っておいてください。不安なことがあったら、またお電話ください。」とお渡しするようにしています。
Q.福祉関係の機関や介護事業者との連携はどうされていますか?
A.当事者の同意を得た上で、地域包括支援センターに、「地域の高齢者の方が被害にあっておられるようです。」と連絡したり、民生委員さんに、被害にあった方の様子を見に行ってもらったりとご協力をお願いした事例がありました。
今後とも、より密な連携をお願いしたいと思っています。
Q.ケアマネジャーさんやヘルパーさんからの依頼で講師をされることがあるそうですが、どのようなお話をされているのでしょうか?
A.高齢者の方の消費者トラブル事例として、「ケアマネジャーさんから消費生活センターに相談があり、このように解決しました。」というような具体的なお話をしています。また、介護サービスの利用者が被害に遭ったことを知った場合は、あきらめずに情報提供をしていただくようお願いをしています。
講演の際の質問で多いものは、「被害に遭っていることに気付いていない利用者さんに、被害に気づいてもらうにはどうしたらいいですか?」というものです。
被害に遭っていることに気付いていない方への対応は難しく、ケアマネジャーさんやヘルパーさんと利用者の方との信頼関係を壊さないよう、できれば、ご本人さんから直接相談窓口に電話をしていただくほうが良いと思います。電話をいただければ、ご本人さんに同様のケースをお話したり、詳しい話をお聞きして一緒に考えたりと、相談者の方の意思を尊重しながらお話をさせていただきます。ご本人さんが消費生活センターに来所いただけるのであれば、パンフレット等も見てもらえるのでより良いかと思います。
お忙しい中、快く取材を受けてくださった呉市消費生活センターの相談員さん、ありがとうございました。
お話を伺って、福祉関係の機関との協力、情報交換により、よりきめ細やかな見守りができることを実感しました。高齢者等と接する際に少しでも気になることがあれば、「こんなことで相談していいのかな?」と迷わずに、県や最寄りの市町の消費生活センターに相談をしてみましょう。