県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
公益財団法人広島市文化財団中央公民館「中央ことぶき大学」にて消費者被害防犯講座が開催されました
公民館は、生涯学習や地域づくりなどの活動拠点として利用されている社会教育施設です。
公益財団法人広島市文化財団中央公民館では、高齢者の生き甲斐や潤いのある生活を見出すために、健康、経済、音楽、郷土史など様々な分野の学習会「中央ことぶき大学」を開催し、「エンディングノート」・「健康体操」・「平和コンサート」といったテーマで学習会を毎月行っています。
「中央ことぶき大学」は、おおむね60歳代以上の方であればどなたでも受講でき、事前の申込受付は必要ありません。毎回40~50名の方が熱心に受講されています。
今回は、9月17日に行われた防犯講座について紹介します。
「消費者被害にあわないために」と題し、講師に公益社団法人広島消費者協会の原則子さんを迎え、約40名の方が参加されました。
「防犯講座~消費者被害にあわないために~」
講師 公益社団法人広島消費者協会 原 則子さん
●契約とは、口約束でも双方の合意があれば成立し、勝手にやめられないもの
⇒悪質商法の業者が狙うのはここ! 安易に承諾しないで!
●「消費者契約法」・「特定商取引法」・「割賦販売法」など消費者を守る法律がある
・クーリング・オフ制度は決められた取引方法であれば、一定期間内は無条件解約できる
・クーリング・オフ出来ない場合でも、販売方法に問題がある時は解約できる場合があるのであきらめないで、消費生活センターに相談を!
●泣き寝入りしないで!
・高齢者の誇りが相談を阻む場合がある
・「騙された自分が悪い」「恥ずかしい」などと思い、泣き寝入りをすることにより、トラブル・被害が続き、悪質商法の場合は個人情報が流出し悪用されることもある。また、悪質な事業者を野放しにし、新たな被害者をつくり出すことにもなりかねない
・相談や意見を消費生活相談窓口等に伝えることは『自分のためだけじゃない、次の被害者を出さないためにも必要なこと』
●消費者被害に遭わないためのポイント
・「いらない!」に「もう来ないで」・「もうかけないで」と一言くわえてきっぱり断る
(留守番電話にしておくのも効果的)
・悪質業者は外見では分からない。「人が良さそう」など、見た目で判断しない
・自分の情報は明かさない。相手の情報を集める
・すぐに契約せず、冷静に考えてみる
・消費者被害の情報を周りの方と共有する
(周りの方の家に見慣れない人の出入りを見かけたら声をかけてあげて)
・一人で悩まないで信頼できる知り合いや消費生活センターに相談する
(消費生活センターは消費者の味方、不安なことがあれば相談を!)
●消費者市民社会を作ろう
消費者は、消費生活全てにおいて、消費生活相談窓口等に相談したり、意見を伝えたりすることにより、企業や行政に働きかけ、社会に影響を与えることができる存在。消費者の消費行動が、この国の産業や社会の仕組みを支えていくことになる。
最後に原さんは、「皆さんは積極的に知識の習得や情報収集に励み、さらに、何を選ぶか、皆さんに届く情報をうのみにしないで自分で考え判断し、適切に行動に移す消費者、すなわち「自立した消費者・賢い消費者」になってください。そのためには、何よりも知ろうとする気持ちが大切です。皆さんの消費者力で安全で安心して暮らせる素敵な町にしてください。」とまとめられました。
消費者トラブルの様々な実例を通して、消費者被害にあわないための基礎知識、その他にも、「騙されやすさ心理チェック」やDVD「あっ、と撃退!悪質商法~お年寄りを守るご近所の力」の鑑賞など、参加者の皆様は楽しみながら消費者被害について学びました。
受講された方からは、「たくさんの悪質商法があり、気をつけなければならないとつくづく思います。一人住まいですといろんな人が来ます。やたら契約しないように気をつけます。」「いつも見聞きしていることですが、具体的でよくわかりました。」と言った声が寄せられていました。
他の地域の公民館でも、「中央ことぶき大学」と同じような取組をされている公民館がたくさんあります。お住まいの地域の公民館の行事に参加してみてはいかがでしょうか?