ゆたんぽを安全に正しく使用しましょう!
-低温やけど、過熱、漏れなどの事故を防止しましょう-
2017年12月6日 消費者庁 発表資料より
寒くなるにつれ、ゆたんぽの使用機会も多くなります。
消費者庁の事故情報データバンクには、ゆたんぽによる事故情報が平成21年9月から平成29年10月までに363件寄せられており、うち240件がやけどを負った事故でした。使用中に低温やけどを負った、加熱し過ぎてやけどを負った、破れてお湯が漏れやけどを負った、リコール対象品と気付かずに使用し発火したなどの事故が毎年継続的に発生しています。
ゆたんぽを使用している高齢者への啓発をお願いします。
主な事故事例と事故防止のための消費者へのアドバイス
(1)使用中の低温やけど
【事例】プラスチック製のゆたんぽを使用して右足首が低温やけどになった。ヒリヒリし、水ぶくれになっている。取扱説明書はよく読まず捨ててしまったが、改めて本体を見てみたら、低温やけどに注意するようにと書いてある。低温やけどについて知らなかったし、きちんとカバーを付けて使用していたのにやけどをするとは思わなかった。 (50歳代 男性)
【事故を防ぐための注意点】
★長時間身体に接触させないようにしましょう。
低温やけどを防ぐためには、長時間同じ場所を温めないことが重要です。
皮膚が損傷を受ける温度と時間の目安は、44℃では3~4時間、46℃では 30 分~1時間、50℃では2~3分です。高齢者や子どもは皮膚が薄く、また、高齢者や糖尿病の方は感覚が鈍くなっていることがあり、重症化しやすいとされています。
子どもや介護が必要な方がゆたんぽを使用する際は、身体の同じ部位に触れ続けないよう、保護者やご家族、介護者など周囲の方で時々ゆたんぽの位置を変えてください。
★布団を暖めた後は、就寝前に布団から出しましょう。
ゆたんぽは就寝前に布団を暖めるのに使用し、布団が暖まったらゆたんぽを布団から出して就寝しましょう。
低温やけどは、見た目より重症の場合がありますので、万が一、痛みや違和感などの異常を感じたときは自身で判断せず、すぐに皮膚科等専門の医療機関を受診してください。
(2)加熱・充電時の過熱等による事故
【事例】金属製のゆたんぽをガスコンロで温めたら破裂した。台所の窓ガラスが割れ、隣の家の車にガラスの破片が飛び散りキズを付けてしまった。ガラスが割れた以外に被害はなかったが、隣人から車の修理代として塗装費用を請求された。(60歳代 女性)
【事故を防ぐための注意点】
★製品ごとに定められた加熱方法、加熱時間等を守って加熱しましょう。
製品ごとに定められた加熱方法と異なる方法で加熱したり、指定された時間以上に加熱したりすると、破裂や発火など危険な事故が起こることがあります。「お湯を入れて使用するタイプ」「電子レンジで温めるタイプ」「電気蓄熱式(充電式)タイプ」等、 いずれのタイプでもそれぞれの製品の取扱説明書、及び取扱い上の注意事項をしっかりと確認し、定められた加熱方法、加熱時間等を守って加熱しましょう。
(3)お湯などの内容物の漏れによる事故
【事例】ゆたんぽに熱湯を入れて使用していたところ、就寝中、ポリエチレン製のゆたんぽのつなぎ目が半分余り裂けて、お湯に触れた足が赤くなり、布団やマットレスが濡れてしまった。 (40歳代 女性)
【事故を防ぐための注意点】
★使用前によく点検し、亀裂や破損がないか確認しましょう。
★使用中、製品の異常に気付いたらすぐに使用を中止しましょう。
ゆたんぽは経年劣化等により小さな亀裂や破損が生じることがあります。各製品の使い方を守らないと劣化を早めます。それぞれの取扱説明書及び取扱い上の注意事項をよく読んで正しく使いましょう。
(4)リコール品による事故
【事例】外国製の充電式のゆたんぽを充電していた。突然、発火し、ソファーが少し焦げた。この商品はリコール対象商品らしい。最近は毎日のように使っていた。 (70歳代 男性)
【事故を防ぐための注意点】
★ご家庭にあるゆたんぽがリコール対象になっていないか確認しましょう。
<参考>
消費者庁リコール情報サイト
★製品別特集★ ゆたんぽ
http://www.recall.go.jp/new/detail.php?rcl=00000018904
2017年12月6日 消費者庁 発表資料はこちらから