投資経験の乏しい者に「プロ向けファンド」を販売する業者にご注意!
-高齢者を中心にトラブルが増加、劇場型勧誘も見られる-
2013年12月19日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
投資をめぐるトラブルは後を絶ちません。特に近年は、いわゆるファンドへの出資に関するトラブルが増加していますが、その中には、プロの投資家向けのファンドを、高齢者を中心とする投資経験の乏しい者に販売し、多くの消費者トラブルが生じているものがあります。
プロ向けファンドは、基本的にプロ投資家を相手に販売・運用が行われるものとして簡素な規制となっており、一般投資家を念頭においた規制にはなっておらず、販売勧誘規制も大幅に緩和されています。しかし、制度上49人以下であれば一般投資家にもファンドを取得させることができることから、一部の業者によって、不特定多数の一般投資家への勧誘を前提としたプロ向けファンドが組成され、高齢者を中心とする投資経験の乏しい者に対して不適切な勧誘が行われています。
相談事例
【事例1】 突然の電話で、認知症ぎみの高齢者にプロ向けファンドを勧める業者
【事例2】 判断力が不十分な高齢者に「必ずもうかる」と言って電話勧誘する業者
【事例3】 リスクを理解しない高齢者にプロ向けファンドへ出資させる業者
【事例4】 コンピュータ分析による株や商品先物への投資をうたうプロ向けファンド
【事例5】 「利率がよい」とCO2排出権取引ファンドを勧誘する業者
【事例6】 金融庁に届け出ていることで信用させようとする業者
【事例7】 高齢者に執拗な勧誘を行う業者
【事例8】 代わりに買ってくれれば謝礼を払うという不審な勧誘(劇場型勧誘)
問題点
一部の業者によって、不特定多数の一般投資家への勧誘を前提とする「プロ向けファンド」が組成され、高齢者等への不適切な勧誘が行われています。
1. 自宅への突然の訪問や電話により、投資経験が乏しく積極的に契約を望んでいない高齢者等にハイリスクで複雑な「プロ向けファンド」を販売している
2. うそや、ぎまん的な説明、不十分なリスク説明、迷惑勧誘などが行われている
3. 「劇場型勧誘」が行われるなど、詐欺的な業者の関与がうかがわれる
4. ファンドの運営内容について、十分な情報提供がなく消費者が把握できていない
5. 被害回復が難しいケースが多い
消費者へのアドバイス
1. 取引内容が理解できなければ契約しない
2. 「必ずもうかる」「元本保証」などと勧誘してくる業者とは絶対に契約しない
3. 金融庁に届け出ているからといって信用できる訳ではない
4. 「代わりに買って」「名義を貸して」「あなたの名前で買った」などと持ちかけてくる勧誘の電話はすぐに切る
5. すぐに消費生活センター等に相談する
6. 日頃からの高齢者への見守りが大切
2013年12月19日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらから