SMSを用いて有料動画の未払料金の名目で金銭を支払わせようとする
「ヤフー株式会社をかたる事業者」に注意
2016年12月22日 消費者庁 発表資料より
平成27年10月以降、消費者の携帯電話に「有料動画閲覧履歴があるため、本日中に登録解除いただけない場合、身辺調査及び法的措置へ移行となります。ヤフー〇〇。」などと記載したSMS(ショートメッセージサービス)(注1)を送信するとともに、SMSに記載された電話番号に連絡してきた消費者に「支払をしないと裁判沙汰になる。」などと告げ、有料動画の未払料金の名目で金銭を支払わせようとする事業者に係る相談が、各地の消費生活センター等に寄せられています。
(注1)メールアドレスではなく携帯電話番号を宛先にして送受信するメッセージサービス
事業者の概要
[名称] ヤフー(SMSには、ヤフー総合窓口、ヤフー総合受付など、また、「ヤフー」の名称が「Yahoo」と記載されていることもあります。)
[所在地] いずれも不詳
「ヤフー株式会社をかたる事業者」(以下「偽ヤフー」といいます。)は、SMSに記載された電話番号に連絡してきた消費者に「ヤフー〇〇」と名のって、有料動画サイトの未払料金の名目で金銭の支払を要求している業者ですが、SMSには電話番号以外に社名等の発信者情報は記載されていないことなどから、所在や事業内容等の詳細は不明です。
※動画配信サービスの提供等を行う実在する事業者であるヤフー株式会社(本社:東京都千代田区紀尾井町1番3号)は、本件とは全く無関係です。
※ヤフー株式会社に確認したところ、ヤフー株式会社が、子会社である株式会社GYAOと協力して運営している動画配信サービス「GYAO!」は、あらかじめYahoo!ウォレットと呼ばれる決済サービスを通じて決済情報等(クレジットカード情報や銀行口座振替)を登録しなければ利用できません。また、ヤフー株式会社は、同サービスの料金未納者への連絡にSMSを利用することはなく、未払料金の支払方法として利用者にギフトカードを購入させてそのカード番号を連絡させることもありません。
※偽ヤフーと同名又は類似名の事業者と間違えないよう御注意ください。
勧誘の手口の概要
①偽ヤフーは、「有料動画閲覧履歴があるため、本日中に登録解除いただけない場合、身辺調査及び法的措置へ移行となります。ヤフー〇〇。」などと記載したSMSを消費者の携帯電話に送信してきます。
② SMSを見て不安を覚えた消費者は、SMS記載の電話番号に電話をします。
③ 偽ヤフーは、電話を掛けてきた消費者に対し、ウェブサイトで動画配信サービスの提供等を行う実在するヤフー株式会社の名をかたり、「有料動画サイトに登録があり、延滞料金などの未払料金が25万円ある。」と欺き、「既に弁護士に依頼し、裁判の手続を進めている。」などと告げ、その未払料金の支払を求めます。
また、偽ヤフーは、消費者に「すぐに全額支払えば、弁護士が後で数千円の手数料を除いた金額を過払金として返還する。」などと告げます。
そして、偽ヤフーは、消費者に対し、支払方法として大手通販サイトのギフトカード(以下「ギフトカード」といいます。)(注2)25万円分をコンビ二エンスストア等で購入して、ギフトカードのカード番号を偽ヤフーに伝えるように指示します。
④ 実際には有料動画配信サイトの未払料金など生じていないにもかかわらず、何か有料動画の未払料金があるのではないかと不安になった消費者は、後に支払った金額のほとんどが返還されるのであればすぐに支払ったほうが厄介にならないと思い、偽ヤフーの指示に従ってギフトカードを購入し、そのカード番号を偽ヤフーに伝えてしまいます。
偽ヤフーは、ギフトカード番号を連絡した消費者に対して、その後、別会社の有料動画サイトでも未払料金が生じているなどとして更に支払を求めてくることがあります。また、偽ヤフーから消費者が支払ったお金が返還されることはありません。
(注2) ここに記載する大手通販サイトのギフトカードとは、コンビ二エンスストア等で販売されているカード型の金券でプリペイドカードの一種です。当該大手通販サイトの会員になり、ギフトカードの裏面に通常記載されているカード番号を同サイトに登録することにより、ギフトカードの額面金額が使用可能となります。なお、当該大手通販サイトのギフトカードは、ギフトカード番号さえ分かれば、当該大手通販サイトで使用することが可能であり、カード番号だけで転売もされています。
消費者へのアドバイス
★詐欺的な行為を行う事業者が、実在する事業者等の名前をかたる場合があります。
事業者等の名前に聞き覚えがあるからといって安易に信用せず、話の内容等をよく確認しましょう。
★直ちに有料動画の未払料金を支払わなければ裁判を起こすなどと警告するSMSを送り付け、消費者からSMSに記載した電話番号に電話させた上、実在する有料動画配信事業者等をかたって未払料金の名目で金銭を支払わせる、いわゆる架空請求事案は、典型的な詐欺の手口であり、従前から本件と同様の事案が発生しています。こうしたSMSに記載されている電話番号には絶対に電話しないようにしましょう。
★コンビニエンスストアでギフトカードを購入してそのカード番号を連絡するよう求めるのは典型的な詐欺の手口であり、本件事案と同様の詐欺事案が多発しています。
事業者から要求されてもギフトカードを購入したり、そのカード番号を教えたりすること等は、絶対にしないようにしましょう。
★事業者からの請求に一度でも応じてしまうと、それ以降も、金銭の支払を請求されるおそれがあります。請求内容に正当な根拠のない請求には、絶対に応じないようにしましょう。
★このようなSMSや電話での要求に不審な点があった場合、慌てて相手に連絡する前に、各地の消費生活相談窓口(消費生活センター等)や警察に相談しましょう。
◆ 消費者ホットライン(最寄りの消費生活センター等を御案内します。)
電話番号 188(いやや!)
◆ 警察相談専用電話
電話番号 #9110
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