県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
世羅町にて高齢者見守り研修会が開催されました
1月14日、世羅保健福祉センターにて、世羅町の社会福祉士、事業所職員、ケアマネジャー、ヘルパー等、高齢者を支えている方たちが毎月おこなっている地域連携ネットワーク会議の一環として、「高齢者の消費者トラブルと見守り」についての講演会がおこなわれました。
講師に福山市消費生活センターの花本のぞみさんをお迎えして約40名の方々が参加されました。
「高齢者の消費者トラブルと見守り」
(講師 福山市消費生活センター 消費生活相談員 花本のぞみさん)
★最近の相談事例の紹介
高齢者が遭いやすい様々な消費者トラブルの事例をわかりやすく紹介していただきました。
「海外宝くじや懸賞金詐欺」
・多くの場合、エアメールで届く。訪問時にエアメールなど不審な郵便物を見かけたら声かけを。
「健康食品の送りつけ」
・昨年相談が急増。現在は、送りつけの手口が周知されてきたため減ってきているが、まだまだ相談がある。
・無料サンプルだと思って注文したら、送料は必要であり払えと電話で脅された、という内容の相談もあった。被害の金額は少ないが嫌な思いをして精神的にも良くないので、注文する際には送料も含め全て無料なのか、よく確認する必要がある。
★寸劇
参加者の方に、騙し役と被害者役に扮していただき、高齢者に特に被害の多い「劇場型勧誘」の寸劇をしていただきました。
突然の出演にもかかわらず、見事な演技で会場は多いに盛り上がり楽しく学ぶことができました。
★DVD鑑賞
「気にかけて、声かけて、トラブル撃退!悪質商法捕物帳」
(東京都消費生活総合センター)
時代劇ドラマで利殖商法、催眠商法、次々販売等の被害事例や問題解決のポイントを解説しつつ、トラブル回避には家族や周囲の人々の見守りが欠かせないことを、江戸っ子の人情味あふれる視点から訴えるものでした。
なお、このDVDは、世羅町が広島県から借用されたものです。
広島県生活センターでは、こうしたDVDを研修用として無料で貸出しています。
貸出希望は、広島県生活センターまで
(電話082-513-2731 月-金 8:30~17:15受付)
★見守りの気づきと対応
高齢者への声かけで気をつけることを紹介されました。
・見守りの中での気づきは、「騙されているんじゃないの?」など、直接的な言葉を使って声をかけると、本人のプライドが傷ついてしまい本当のことが言えなくなってしまう場合がある。
・「騙されているんじゃないの?」ではなく、「何かお困りですか?」とか、「役場の人が、最近この辺りでこんな悪質商法があるらしいと話していたけど、聞いたことはない?」とさりげなく声かけをする。
・被害に遭っていても、「家族に怒られるから知らせたくない」ということもよくあるので、否定せずによく話を聞き、消費生活相談窓口や関係機関等に連絡をして相談を案内する。
・信頼関係があるからこそ、打ち明けてくるので、何よりも日頃からの信頼関係を大切に。
★クーリング・オフについて
訪問販売や電話勧誘販売などで契約してしまった場合、契約書を受け取った日から8日間以内(いわゆるマルチ商法・内職商法は20日間)であれば「クーリング・オフ」という制度がある。無条件で解約できるこの制度を是非知っておいて欲しい。
花本さんの優しく語りかけるようなお話に、参加者の皆様が聞き入っていました。
見守りの中のちょっとした異変から、消費者トラブルに気づいていただくことは大変ですが、周りの人の気づきが被害を未然に防ぎます。トラブルに気づいた場合にも、無理せずに高齢者の方を傷つけないよう、日頃からの信頼関係を壊さないように対応することも大切です。
また、悪質商法の手口は次から次へと変わるので、最新の情報を入手するようにし、少しでも不審な点があれば、関係機関や消費生活相談窓口等にご相談いただければと思います。
介護関係の方々の研修をサポートします
世羅町では、地域包括支援センターが中心となって、毎月こうした研修を行っておられ、そのうちの1回を、今回、消費者トラブルについての研修として実施されました。
介護関係の方々の気づきは高齢者等の消費者トラブルの防止や救済にとても役立つものと考えられます。介護関係の方々の研修材料として、他の地域でも是非取り上げて頂きたいと思います。
研修のご相談は、当消費者ネット広島や市町消費生活相談窓口、広島県生活センターで受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。