医療費などの還付金がATMで支払われることは絶対にありません!
-「お金が返ってくるのでATMへ行くように」は詐欺です-
2015年2月20日 独立行政法人国民生活センター 発表資料より
市役所等の自治体や、税務署、社会保険事務所(注1)などの職員を名乗り、「医療費の還付金の手続きをする」「税金の還付金がある」などと言って、スーパーやコンビニなどのATMに誘導し、お金を振り込ませようとする不審な電話に関する相談が増加しています。
還付金詐欺(注2)に関する相談は2011年度以降急増しています。2014年度は現時点(2015年2月17日)ですでに前年度を上回る2,388件の相談が寄せられており、また、お金を支払ってしまったという相談の当事者の年代は、ほとんどが60歳以上です。
(注1)現在、「社会保険事務所」や「社会保険事務局」という組織は存在しておらず、公的年金の業務は、日本年金機構が全国の年金事務所で行っている。
(注2)市役所等の自治体、税務署、社会保険事務所や年金事務所などの職員を名乗り、医療費や税金等を還付する手続きであるかのように装い、お金をだまし取ろうとする詐欺。ATMを操作させるなどして、自己の口座から相手方の口座へ現金を振り込ませるなどの手口が見られる。
最近の相談事例
【事例1】「医療費の還付金がある」と言われ、コンビニのATMで約100万円を振り込んだ
自宅に市の福祉事務所を名乗って電話があり、「医療費の還付金のはがきを送っているが、届いていないか。12月末で締め切りになっている」と言われた。「届いていない」と答えると、「こちらで受け付けている。近くのコンビニに出かけて、ATMの前から指定の電話番号へ連絡するように」と指示された。
コンビニで指定の電話番号に連絡し、指示されるがままにATMを操作したが、出てきた明細を見ると約100万円を振り込んだことになっており、不審に思った。自宅で待機するように言われていたので、自宅に帰って待ったが連絡がない。
【事例2】「医療費の払い戻し金がある」と言われ、スーパーのATMで約50万円を振り込んだ
市役所職員と名乗る者から「医療費の払い戻し金の通知を送ったが届いているか」と電話があった。覚えがないので「届いていない」と答えると「払い戻し金の受取り期日は今日までなので、県の社会保険事務所に電話をするように。その際はあなたの登録番号の○○○○○○(6桁の数字)を伝えるように」と言われた。
すぐに、その電話で教えてもらった社会保険事務所の電話番号にかけて登録番号を告げたところ、「今から携帯電話と通帳、キャッシュカードを持ってATMへ行くように。近くのATMはどこか」と言われたので、「いつも利用しているスーパーのATMへ行く」と伝えて電話を切った。
スーパーのATMに着くと、携帯電話を通じてATMの操作方法を指示され、それに従い画面のボタンを押した。「早く、早く」とせかされ、どのようにしたか覚えていないが、約50万円(登録番号として教えられた6桁の数字と同じ額)を振り込んでしまった。
消費者へのアドバイス
★医療費などの還付金がATMで支払われることは絶対にありません。
★「お金が返ってくるので、携帯電話を持ってATMへ行くように」と言われたら、還付金詐欺です。
★不審な電話があっても、相手の説明をうのみにせず、すぐに警察や消費生活センター等に相談してください。
2015年2月20日 独立行政法人国民生活センター 発表資料はこちらからhttp://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150220_1.html