60歳以上の消費者トラブルが40万件を突破!
-トラブルの現状を知って、被害を防ぎましょう-
2019年9月12日 独立行政法人国民生活センター 発表情報より
全国の消費生活センター等に寄せられる相談のうち、契約当事者が60歳以上である相談は増加傾向にあり、2018年度には約43万件と過去10年で最高を更新し、相談全体に占める60歳以上の相談の割合も約49%と増加しています。
60歳以上の契約当事者のトラブルの特徴
(1)情報通信関連の相談が非常に多い
・60歳代・70歳代においては、特にインターネットを利用したデジタルコンテンツやインターネット接続回線などの情報通信に関連する相談が多いほか、インターネット通販に関する相談も多く寄せられています。
・80歳以上においても情報通信関連の相談が多くなっていることから、より高齢の方にもインターネットの利用が浸透してきていることがうかがえます。情報通信関連の契約は複雑でわかりにくいことが多く、高齢者が理解しにくい面があることが相談の一因となっており、相談は今後も増加していくものと思われます。
(2)高齢になるにつれ、訪問販売や電話勧誘販売の相談が増加している
70歳代、80歳以上と高齢になるにつれ、訪問販売や電話勧誘販売によるトラブルが増えており、強引な勧誘などが目立ちます。また、80歳以上になると、判断能力が不十分と思われる方の契約に関するトラブルも多くなっています。高齢になるにつれて契約当事者本人以外からの相談が増えており、本人以外からの相談では契約に関する詳細がわからないことも多く、そうした場合にはトラブルの解決が困難となることもあります。
消費者へのアドバイス
(1)消費者トラブルはひとごとではありません。自分は大丈夫と思いこまず、日頃からいろいろな消費者トラブルについて知っておきましょう
トラブルにあったときにあわてず冷静に対処できるよう、60歳以上によくみられる消費者トラブルの手口と対策を知っておきましょう。
・最も多く寄せられている架空請求に関して、身に覚えのない請求をされた場合、あわてて相手に連絡をしたりお金を支払ったりしないようにしましょう。
・アダルトサイトなどのデジタルコンテンツでは、突然登録されたとの表示が出て、料金を請求されることがあります。不用意にアクセスしないようにしましょう。もし、意図せず料金を請求された場合には、あわてずに、お金を支払ってしまわないよう気をつけましょう。
・インターネット通販では、サイトで見たものと実物が思っていたものと違うなどのトラブルが発生しています。お試しのつもりで申し込んだら定期購入になっていたというトラブルもみられますので、サイト内の購入条件や返品・交換、解約のルールについてきちんと確認してから申し込みましょう。
・インターネット接続回線や電気の契約では、新しい契約に乗り換えることになると認識できないまま契約させられてしまうトラブルが目立ちます。契約内容や契約の相手がどこなのかをよく確認してから承諾するようにしましょう。
・自宅の屋根や床下などを点検すると言って訪問し次々とリフォーム工事やふとんなどを契約させられたなどの訪問販売や電話勧誘販売によるトラブルは、高齢になるにつれて増加する傾向があります。
・住居の固定電話には通話録音装置や迷惑電話対策機能の付いた電話機を使用する、住居に多額の現金をおかない、などのトラブル防止対策を取ることを検討しましょう。
(2)消費者トラブルを防ぐには、周囲の方による見守りも非常に大切です
高齢者の消費者トラブルを防ぐためには、身近にいる家族など周囲の方が日頃から本人の生活や言動、態度などの様子を見守り、変化にいち早く気付くことがとても重要です。不審な電話や訪問を受けた時の対応、どこに相談したらよいかなど家族間で話し合っておきましょう。最近は一人暮らしの方も多いので、周囲の方と緊密に連絡を取り、トラブルを防ぎましょう。
※高齢者を見守る際のポイントには、次のようなものがあります。参考にしてください。
(3)不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談してください。
※消費者ホットライン:「188(いやや)」番
高齢者の見守りと気づきのポイント チェックリストはこちらから
(啓発用資料としてご自由にご活用ください。)
2019年9月12日 独立行政法人国民生活センター 発表情報はこちらから