県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
東広島市のサロンで「ご近所サロンde詐欺防止」が開催されました
広島県社会福祉協議会では、高齢者等の消費者被害の未然防止や拡大防止のため、「ふれあいサロン」等を拠点に、高齢者等の消費者被害防止事業「ご近所サロン de 詐欺防止」に取り組んでいます。
「ふれあいサロン」のあたたかく自然な雰囲気の中で消費者被害についての研修会を行い、参加者の方には、研修会で聞いた消費者被害や特殊詐欺の情報を周りの方に口コミで拡げてもらいます。また、相談できる人「お頼りさん」づくりを行い、「何かあったらまず相談」を心がけ、日頃の住民同士の支え合いにつなげます。
今回は、10月28日、東広島市西条町三永のサロン「なごみ会」で開催された研修会をご紹介します。
研修会では、東広島市消費生活センター相談員の永田洋子さんと、東広島警察署生活安全課警部補の信岡良宏さんが、東広島市での消費者被害や特殊詐欺被害について話されました。
◆東広島市消費生活センター 相談員 永田洋子さん
★東広島市消費生活センターへの平成26年度の相談件数は1365件で、これは、広島県内で4番目に多い相談件数です。消費者被害は決して他人事ではないのです。
★契約って何?
電車に乗る、お店で買い物をする、病院で診察を受けるなど、皆さんは毎日何かしらの契約をして生活しています。契約は意思表示の一致があれば成立するので、口頭でも成立します。電話で「いいですよ」と承諾しても契約は成立してしまいます。安易な気持ちで承諾せず、契約は慎重にしてください。
★知っておきたい!クーリング・オフのこと
訪問販売や電話勧誘販売など、不意打ち的な勧誘で、冷静に判断できないまま契約をしてしまう恐れがある販売方法に対して、クーリング・オフ制度が設けられています。
期間内(訪問販売や電話勧誘販売の場合は8日間)であれば消費者から無条件で申し込みの撤回や契約の解除ができる制度です。
<注意>
・通信販売は、クーリング・オフの対象外です。(返品・解約は、返品特約に基づきます)
・インターネット回線の勧誘トラブルの相談が多く寄せられていますが、通信契約にはクーリング・オフの制度がありません。
★困ったときは、早めに消費生活センターへ相談を
「こんなことで相談してもいいの?」と思うことでも、「近所でこんな話を聞いた」という話でもいいので、相談窓口に連絡をしてください。
◆東広島警察署 生活安全課 警部補 信岡良宏さん
★東広島市での平成27年度の特殊詐欺被害は、9月末で26件、1億円を超える被害額です。
「お金がないから」「手口を知っているから」などと自分は被害にあわないと思っている人が多いのですが、「私は大丈夫」と思っている人が危ないのです。
犯人は上手に人間の心理をついてくるため、誰でもだまされてしまいます。
何かあった時には誰かに相談してください。「即断より相談」です。
★金融機関は最後の砦です。実際に窓口で被害を防止できた事例がたくさんあります。
高齢者がお金をおろす時には、あれこれ聞かれると思いますが、警察が頼んでいることなのです。是非ご協力をお願いします。
犯人から「窓口ではリフォーム代と言いなさい」などと指示される場合もありますので注意してください。
★困ったときは『110番』
警察に相談するのは敷居が高いかもしれませんが、困った時は遠慮なく相談してください。
◆アンケート
研修会後のアンケートでは、一つ一つの項目をみんなで順番に、チェックしていきます。
「強引な訪問販売が自宅に来たり、電話でしつこい商品セールスや勧誘を受けたりしたことがありますか。」「電話で、市役所などの公的機関や銀行の名称を名のり『還付金の手続きをATMでしてください』といった要求をされたことがありますか。」など、アンケートに答えることが啓発にもつながります。
また、「地域活動の参加状況」や「困った時の相談相手」も聞きました。
アンケートは集計し、今後の取り組みにも活かしていきます。
◆「お頼りさん」づくり
「お頼りさん」とは、相談できる人のことです。
同じサロン参加者、近所の友人、民生委員、家族の名前など一番相談しやすい人の名前と電話番号を、配布された「お頼りさんカード」に書いてもらいます。「お頼りさんカード」は冷蔵庫など普段よく目にする所に貼っておいてもらえるようマグネットになっています。
名前を書いた人には、「私のお頼りさんはあなた」と伝えておきます。
こうした「お頼りさん」づくりを行うことで、より相談しやすい関係を築きます。
サロンの和気あいあいとした雰囲気の中で研修会、アンケート、「お頼りさん」づくりが行われました。研修会の中で、「警察や消費生活センターへ相談するのは敷居が高いですか?」の質問に、「高い高い」と皆さん答えられましたが、地元の警察署員、消費生活相談員の方の顔が見えたことで身近に感じ、相談しやすくなったようです。また、「お頼りさん」という心強い相談相手もできました。被害にあわないためには、一人で判断せず、誰かに相談することが有効です。身近で自然な交流の場であるサロンでの「お頼りさん」づくりがどんどん拡がっていくことを期待します。