県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
「海田町さわやか大学」で中国財務局の出前講座が開催されました
60歳以上の海田町在住の方を対象とした「海田町さわやか大学」では、毎月多彩な専門家を講師に迎え、楽しく学べる講義を開催しています。
6月10日、海田町福祉センターにて、中国財務局の出前講座が開催され、海田町さわやか大学生の皆様、約90名が熱心に受講されました。
「金融犯罪被害にあわないために~特殊詐欺編~」
(講師 財務省中国財務局 金融監督第三課 相談員 橋村憲明)
◆特殊詐欺の被害状況
平成26年の特殊詐欺の被害額は、全国で559.4億円、広島県では16.3億円と、被害は甚大である。
平成27年の広島県の被害額は、5月末で約8.4億円(昨年同時期は5.2億円)にのぼり、警察や行政など各機関が、熱心に対策をしていてもなお被害が増え続けている。
◆特殊詐欺の手口を紹介
だまされないためには、手口を知って対処することが重要。
★オレオレ(なりすまし)詐欺
息子や孫を装い、携帯番号を変更した等と言って信用させ、「会社のお金を使い込んだ」「女性を妊娠させた」等と言い、お金をだまし取る詐欺。
[だましの文句]
「携帯電話の番号が変わった。」
「風邪でのどの調子が悪い。」
「今、弁護士に代わるから。」
「急いでお金を振り込んで欲しい。」
[だまされないために]
・お金を振込む又は送る前に、元の電話番号にかけ直し確認。
・警察官等をかたり、キャッシュカードや現金を預かる手口にも注意。
★架空請求詐欺
ハガキや電子メール等で、料金の支払やトラブル解決の名目でお金をだまし取る詐欺。
[だましの文句]
「貴方が以前購入したわいせつビデオの件で、捜査が入る。示談金があれば免れる。」
「インターネットの有料サイトの退会手続きが終了していなかったため、未払金が発生している。」
「インターネットの有料サイトの利用料金が長期延滞しているため、法的手続きをとる。」
[だまされないために]
・身に覚えのない料金請求には要注意。
・料金請求先が事実かどうか警察等に相談して確認。
★還付金等詐欺
公的機関を装い、「医療費の過払金がある」等と言って、ATMに誘導し、お金をだまし取る詐欺。
[だましの文句]
「〇〇市(区)役所です。過去5年にさかのぼり、医療費の還付金がある。」
「今日が手続きの最終日となっている。」
「今からいう社会保険事務所(庁)の番号に電話してください。」
「携帯電話を持って近くのATMに行ってください。」
[だまされないために]
・「携帯電話を持ってATMへ」と言われたら、詐欺を疑い要注意。ATMでお金が戻ってくることはない。
・医療費の還付手続きを電話だけで通知することはない。
★金融商品等取引詐欺
未公開株、社債、投資ファンド、外国通貨等に関するパンフレットを送り付け、購入すれば利益が得られる等と言って、お金をだまし取る詐欺。
[だましの文句]
「自宅に〇〇のパンフレットが届いていないか。届いた人しか購入できない。」
「今日が手続きの最終日となっている。」
「高く買い取るので、代わりに購入して(名義を貸して)欲しい。」
「現金をレターパックやゆうパック等で郵送して欲しい。」
[だまされないために]
・身に覚えのないパンフレットが送られてきたら要注意。
・レターパック、ゆうパック、宅配便等で現金は送れない。
◆被害にあわないために
・直ぐにお金を、振り込まない、送らない、渡さない。必ず誰かに相談する。
・本当のことなのか、事実を確認する。
・怪しいと思ったら、すぐに警察へ連絡する。詐欺グループは、地域を絞って集中的に連絡する傾向があるため、他の人の未然防止につながる。
・留守番電話機能を活用し、相手を確認してから電話に出る(又は架ける)。
・「いりません。もう二度と電話しないで」等と、はっきりと断る。(曖昧な表現はダメ)
・日頃から、家族と連絡を取り合う(合言葉などを決めておく)。
・怪しい電話を受けた時を想定し、被害にあわないよう、対応の準備をしておく。
◆被害にあってもあきらめないで
お金を振り込んだ場合には、「振り込め詐欺救済法」によって振り込んだお金が返金されることがある。
万一、被害にあった場合には、必ず警察と振り込んだ金融機関へ被害届を出しておくことが必要である。
(26年度3月末で凍結されたお金は約146億円だったが、そのうち還付されたのは約89億円だけ。残りは支払請求が行われていなかった。)
講座の最後に、講師の橋村さんから、「『だまされないために明日から私は、〇〇〇する。』と、皆で一緒に考えてみてください。」と提案がありました。〇〇〇には、「留守番電話を利用する」「はっきり断る」「相談する」等、何でも良いのですが、皆で一緒に考えることによって、記憶に残り、詐欺の電話がかかった時に思い出しやすいそうです。皆様も是非周りの方と一緒に考えてみてください。
最近は金融商品を扱った詐欺が多いため、中国財務局では、警察と連携して積極的に注意喚起を行っています。今回のような中国財務局の出前講座を地域のコミュニティ活動等でご活用いただければと思います。
また、中国財務局には、多重債務の相談窓口もあります。相談は予約不要、無料です。ご家族、友人など本人でなくても相談出来ますので、借金でお困りの時は相談してみてください。
出前講座依頼先 中国財務局金融監督第三課 ☎082-221-9221(代表)
相談窓口 中国財務局多重債務相談窓口 ☎082-221-9206(直通)