暖房器具の事故により5年間で107名死亡
~誤使用・不注意による火災を防ぎましょう~
2018年11月22日 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 発表資料より
暖房器具による火災などの事故は毎年10月頃から増加し、年末から年始にかけて事故の件数はピークを迎えます。
2013年度から2017年度の5年間にNITE(ナイト)に通知された製品事故情報では、暖房器具の事故は1,064件ありました。中でも電気ストーブや石油ストーブによる事故が目立ち、住宅の全焼やそれに伴う死亡事故も発生しています。
暖房器具による事故の被害状況をみると、1,064件のうち、770件(72%)が火災を伴っており、また、死亡事故は96件(107人)となっています。特に70歳代以上の高齢者による死亡事故は被害者の年齢が判明した死亡事故76件中54件(71%)あり、注意が必要です。
年末年始の家族が集まる機会に、改めて暖房器具の正しい使い方を確認し、事故を未然に防ぎましょう。
事故事例
【事例1】電気ストーブを使用中、前面ガードに可燃物が接触したため、周辺を焼損する火災が発生し、1名が死亡した。(2016年11月、愛知県、男性)
【事例2】使用者が石油ストーブのカートリッジタンクのふたを十分に締めていなかったため、タンクをストーブへ戻す際にふたが外れ、灯油が漏れ、漏れた灯油が高温状態の燃焼部にかかり、火災に至った。火災により住宅を全焼、1名が死亡した。(2018年1月、栃木県、男性)
【事例3】使用者が石油ファンヒーターのカートリッジタンクに誤ってガソリンを給油して点火したため、異常燃焼を起こし、火災に至った。 火災により住宅を全焼、1名が死亡した。(2016年1月、神奈川県、男性)
【事例4】就寝時に使用し、ゆたんぽを長時間脚に接触させて使用したため、低温やけどを負った。なお、取扱説明書には、低温やけどを防ぐため「布団があたたまったら、ゆたんぽを布団から取り出して就寝する」旨、記載されていた。(2015年2月、神奈川県、女性)
事故を防ぐためのポイント
★可燃物の近くでは使用しない。特に衣類などを乾かしたり、つけたまま就寝したりすることは絶対にやめる。
★給油時は必ず消火をし、カートリッジタンクのふたは確実に締める。給油口キャップが閉まったことを確認しやすく改良された製品への買換えを検討する。
★誤給油を防ぐため、灯油とガソリンは専用容器に入れ、別々の場所に保管する。
★お手持ちの製品がリコール対象かどうか確認し、リコール対象の場合は不具合が生じていなくても速やかに使用を中止し、購入した販売店や製造・輸入事業者に相談する。
2018年11月22日 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE) 発表資料はこちらから
(ポスター)暖房機器の事故(nite製品安全センター)
(啓発用資料としてご自由にご活用ください。)