県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
広島県民生委員児童委員協議会の取組紹介
民生委員児童委員は地域住民から選出されており、住民にもっとも身近な存在です。
広島県の22市町(広島市は除く)全体では170の民生委員児童委員協議会があり、約4000人の民生委員児童委員の方々が、「住民の立場に立って」地域の方の相談に応じ、必要な援助を行っています。
今回は、広島県民生委員児童委員協議会会長の猪上優彦さんに高齢者の消費者被害に対する見守りについてお話しを伺いました。
訪問の際の注意喚起
民生委員児童委員が一人暮らしの高齢者宅を訪問する時には、安否確認だけでなく、交通事故への注意や災害に対する注意、消費者被害に対する注意喚起を行うようにしています。消費者被害への注意喚起では、知らない人からの訪問や電話は相手にしないように、そのような事があれば、民生委員児童委員に連絡をするように。また、県警からの情報などから、特殊詐欺の手口も伝えています。1度伝えたら良いのではなく、訪問する度に毎回同じことを繰り返し伝えるようにしています。
消費者被害を防いだ事例
・お菓子や洗剤など大量のプレゼントで誘い込まれ、契約するまで帰してもらえず、高額な布団を買わされてしまった高齢者から「明日、業者と一緒にお金をおろしに行く」と民生委員児童委員に連絡があったことから契約を解約できた。
・「あやしい訪問業者が近所をまわっている」と地域の方から民生委員児童委員に連絡があったため、民生委員児童委員が高齢者宅に先回りして相手にしないよう伝えておいた。
・「物干し竿の移動販売業者から、物干し竿を高額で売りつけられた」と高齢者から民生委員児童委員に連絡があり、民生委員児童委員から行政に連絡をしたことにより、その業者がその地域に来なくなった。
ほぼ全ての民生委員児童委員協議会では、月に1回定例会を行っています。定例会では、行政、社会福祉協議会、県警等、関係機関からの連絡事項や委員同士の情報交換が行われます。この定例会での情報や意見交換が日頃の活動や消費者被害防止にとても役にたっています。
地域全体で高齢者を見守る
民生委員児童委員だけで出来ることには限界があります。日頃から、近所の方に高齢者の様子を気に掛けてもらい、何かおかしいと思った時には民生委員児童委員に連絡をするように、また、高齢者の方には留守にする時などには近所に伝えておいてもらうようにお願いしています。
地域全体で高齢者を見守ることが何よりも大切だと考えています。
お忙しい中、熱心にお話しをしてくださった猪上さん、ありがとうございました。
民生委員児童委員は地域の事情に通じ、その地域でのリーダー的な存在でもあるため民生委員児童委員を通じて住民に声掛けを行い、地域全体で消費者被害を防ぐ体制を作っていただければ心強いです。