ストーブによる住宅火災が毎年発生しています
~石油ストーブは給油時に、電気ストーブはつけっぱなしにご注意ください~
2016年11月25日 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター (nite) 発表資料より
今年も石油ストーブや電気ストーブなどが活躍する季節になりましたが、例年、11月頃からストーブによる火災事故が増加し、12月、1月と月を追うごとに増えていきます。誤使用や不注意によって、住宅を全焼したり、死亡に至る事故が多く発生していますので、今一度正しい使用方法を確認し、事故を未然に防ぎましょう。
NITE(ナイト)が収集したストーブによる製品事故件数は、平成23年度~平成27年度までの5年間に合計975件ありました。このうち火災を伴うものが646件あり、火災やCO中毒によって死亡85件、重傷23件、軽傷118件などの被害が発生しています。特に60歳代以上の高齢者による死亡事故は全体の約7割を占めているため、注意が必要です。
主な事故事例と注意事項
◆使用者がカートリッジタンクを石油ストーブに戻す際、タンクのふたを十分にしめていなかったため灯油がこぼれ、その後拭き取りが不十分な状態で点火したことでこぼれた灯油に引火し、住宅1棟を全焼し、隣接する建物8棟を焼損して、1人が死亡、 1人が重傷を負った。(70歳代男性・死亡、60歳代女性・重傷)
給油後は、カートリッジタンクのふたが確実に閉まっていること、灯油がタンクから漏れていないことを確認してください。
◆石油ファンヒーターに誤ってガソリンを給油したため、大きな炎が上がって、住宅を全焼し、1人が死亡、1人が重傷を負った。(60歳代男性・死亡、60歳代女性・重傷)
灯油と間違えてガソリンや混合油(※)を誤給油しないでください。少量の混入であっても火災が生じるおそれがあります。灯油と間違えないように、ガソリンや混合油は消防法令に適した金属製のガソリン携行缶を使用してください。
(※「油」という言葉がつきますが、成分はほぼガソリンです。草刈機やチェーンソー、農業用器具などの燃料として使われ、エンジンが焼き付かないようガソリンと潤滑用オイルを25:1や50:1の比率で混合しています。また、混合ガソリンとも呼ばれています)
◆カセットボンベ式ガスストーブのボンベ交換時に、ボンベが正しく装着されずガスが漏れていたため、点火時に炎が上がり衣服に着火して、1人が軽傷を負った。(年齢不明 男性・軽傷)
ボンベ装着時に、ガス臭がしたり、ガス漏れの音(シューという音)が聞こえたりした際は使用を中止して、ボンベの切り込み部がストーブのボンベ受けガイドにきちんとはまっているか確認し、しばらく時間をおいてから点火してください。
◆外出中に、電気ストーブの上に衣類を干していたところ、衣類が落下してヒーター部に被さり、着火して周辺を焼損した。(拡大被害)
電気ストーブや石油ストーブの周囲に衣類を干さないでください。また、外出時や就寝時には必ずスイッチを切ってください。衣類や寝具などの可燃物がストーブに接触したり、放射熱によって過熱されたりすることで着火し、火災が発生するおそれがあります。
2016年11月25日 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター (nite) 発表資料はこちらから