県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
廿日市市介護支援専門員勉強会で社会福祉協議会との交流会が行われました
廿日市市介護支援専門員連絡協議会では、勉強会を月に1回程度実施しています。
今回は、平成27年12月14日、あいプラザ多目的ホールにて「廿日市市社会福祉協議会との交流会」が行われました。勉強会では、廿日市市社会福祉協議会の事業の中でも高齢者に関わりの深い事業の紹介、社会福祉協議会職員も交えてのグループワークが行われました。
◆廿日市市社会福祉協議会より「高齢者に関わりの深い事業の紹介」
『認知症高齢者支援に関する事業』
廿日市市社会福祉協議会 地域福祉課 新本和久さん
★「廿日市市はいかいSOSネットワーク」について
外出したまま戻れなくなり、行方不明となった人を、公共機関やタクシー会社、コンビニエンスストア、医療機関、町内会、ボランティア等のネットワーク協力機関が、連絡網を通して情報を伝達し、早期発見、保護するシステム。
事前登録をすることで情報をいち早く関係機関に伝達することができ、早期に発見、保護することが可能。現在の登録者は、約190名。
実際に徘徊している方の多くは事前登録をしていないため、徘徊の心配のある方には事前登録をお願いしたい。
★廿日市市・大竹市「キャラバン・メイト」養成研修について
地域で暮らす認知症の人やその家族を応援する「認知症サポーター」の育成を目的に、その活動に関わることのできる「キャラバン・メイト」養成のための研修を実施。平成26年末で、4700人以上の方が受講されている。
『権利擁護に関する事業』
廿日市市社会福祉協議会 地域福祉課 酒井良裕さん
★福祉サービス利用援助事業「かけはし」について
認知症や障害等により、一人でものごとを決めることに不安がある人の思いや願いに応えるために、日々の暮らしに必要な福祉サービスの利用手続きやお金の管理のお手伝いをして、安心して暮らせることができるよう支援する事業。
【3つの支援】
・通帳、印鑑の管理が心配な人⇒通帳などのお預かりサービス(月1500円で管理)
・支払等が不安な人⇒日常のお金の出し入れのお手伝い(1回ごと1500円)
・福祉サービスを利用する時のお手伝い
現在、廿日市市での利用は約85件。
契約までに時間がかかるため、一人でものごとを決めることに不安のある方には早めに相談するよう勧めてもらいたい。
『地域のボランティア支援』
廿日市市社会福祉協議会 地域福祉課 課長補佐兼係長 梅本登志子さん
★「サロン」について
現在、廿日市市には約160か所のサロンがある。5人くらいの小さなサロン、100人以上の大きなサロン、年に4回開催のサロン、毎月開催のサロン等、サロンは様々。
利用者の方にあったサロンを紹介するので、閉じこもりがちな方へもサロンへの参加を勧めてほしい。
★「廿日市市ファミリー・サポート・センター」について
育児、介護のちょっとした困りごとを援助してほしい人とお手伝いできる人を繋げる事業。
地域の住民同士、お互い様の気持ちを大切に、人と人をつなげていくことが目的。
布団干し、衣替え、庭の掃除など、介護保険の対象外の援助を行う。
1時間当たり700円を、依頼会員が、提供会員に直接支払う。
近年は高齢者からの家事の手伝いの依頼が増え、平成27年10月は一月で約150件の介護活動が行われた。
提供会員の状況によっては調整ができない場合もある。
★「ささえ愛ネットはつかいち」について
ボランティアセンターに登録されているボランティアグループによって構成。
自分たちの住む町でお互いが「安心して暮らしていける」、「お互いさま」の気持ちで支え合って行くことができるように日々活動している。
平成26年度、廿日市市内でボランティア保険に入っている人数は2511人。
◆グループワーク
「認知症支援班」「権利擁護班」「地域づくり・ボランティア班」の3つのグループに分かれてグループワークを行い、社会福祉協議会職員と介護支援専門員との間で、より詳しい事業紹介や質疑応答等、活発な意見が飛び交う。
「若年性認知症の集まりの場が少なくて『陽溜まりの会(認知症の人と家族の会)』に参加させてみたいがどうしたらいいか?」と言う質問には、「まずは、家族の方と参加されてみては」との返答が。「閉じこもりがちの方をどうしたら地域とつなげていけるのか?」と言う質問には、本人の困っていることを解決しサービスへつなげた事例を紹介するなど、たくさんの意見交換が行われた。
◆社会福祉協議会職員と介護支援専門員、相互の役割を理解し情報共有することで、利用者の方へより多くの情報を届けることができるようになります。一人の高齢者の方により多くの方が関わり支えていくことは、高齢者を見守るうえで重要なことです。また、困った時にお互い相談できる顔の見える関係づくりもできました。今回の勉強会は、大変有意義な交流の場となりました。