「老人ホームの入居権」の劇場型勧誘のトラブルに注意
広島県生活センター発行 くらしのフレッシュ便No.85(平成27年4月号)より
広島県生活センター発行の「くらしのフレッシュ便」より、広島県生活センターに寄せられた相談事例を紹介します。
◆相談内容
3日前、A社から電話があり「あなたの家の近くに特別養護老人ホームができる。近隣の100人に当たる入居権があなたに当たった」と言われた。
入居する気が無いと言うと「入居権を欲しい人がいるので、譲ってほしい。入居権は20年分で1000万円だが、費用は当社が負担する。ホームから電話があったら入居すると言ってほしい。入居権の書類が届いたら当社に送ってほしい。お礼に商品券を差し上げる」と言われた。電話に応えたり、届いた書類を送るだけなら構わないと思って承諾した。
その後、ホームの運営業者から電話があり、入居すると伝えた。昨日、ホームの運営業者から「1000万円の入金があったが、法人口座からの入金は認められない。個人名で送ってほしい」といわれた。そんな大金は払えない。どうしたらよいか。(60歳代 女性)
◆アドバイス
相談者には、いわゆる劇場型の特殊詐欺の相談事例について情報提供し、次にかかってきても相手にせず、すぐに電話を切るよう伝えました。今後は、留守番電話等を利用し、かかってくる電話にすぐには出ないようにし、必要に応じてかけ直す等の対策をとるようアドバイスしました。
事例の「A社」と「ホーム運営業者」のように複数の人物が入れ替わり登場して、商品、権利やサービスを勧誘する「劇場型の特殊詐欺」は、売り付けようとする商品やサービスをその時々の社会情勢などによって巧みに変えながら、常に高齢者を狙っています。
まずは電話に出ないこと、出てしまった場合も長く話を聞かず、「要りません。もうかけて来ないでください」ときっぱり断り、手短に切ることが大切です。
※ここに紹介する相談事例は一つの参考例です。同じような商品・サービスに関するトラブルであっても、個々の契約等の状況などが異なれば、解決内容も違ってきます。
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