県内の活動紹介 〜地域や関係者の取組〜
北広島町にて「高齢者等見守り研修」が開催されました
12月12日、千代田中央公民館にて、北広島町千代田地区民生委員児童委員協議会の12月定例会が行われ、研修として「高齢者等見守り研修」が開催されました。
講師に消費者ネット広島の理事であり広島市消費生活センターの相談員である岡本みどりさんをお迎えして約25名の方々が参加されました。
高齢者等見守り研修
(講師 広島市消費生活センター 消費生活相談員 岡本みどりさん)
平成25年度の広島県の相談件数は前年度より増加しており、特に65才以上の相談は増え続けています。北広島町では、一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が多いため、周りの方の「見守り」がとても大切です。
◇DVD鑑賞『高めよう!「見守り力」』消費者庁
「みんなで見守って、気づいて、声かけて」
高齢者や障害者を消費者被害から守るには、家族のみならず地域全体で見守ることが求められています。そのためには、皆さんがそれぞれの立場で何ができるかを考えて行動することが必要です。
◇実際の事例紹介
★点検販売
「下水管の無料点検をします」と業者が訪ねてきて、点検をしてもらうと、「下水管が汚れている」と1万円ほどの高圧洗浄を勧められた。 1万円くらいなら、と高圧洗浄をしてもらうと、「高圧洗浄で水漏れをしていたらいけないので、床下を見せてください」と床下に入っていき、「ここの床下は湿気が多い。このままでは大変なことになる。」とリフォーム工事を勧められた。 不安になり契約をして、支払のために銀行に行き定期をくずそうとしたところ、高額のため銀行員が気づき、警察と消費生活センターに連絡をしたため、被害を防ぐことができた。 |
・家に対する不安をあおり、必要のない工事を契約させる悪質なケースです。
・家を持っている方は、誰でも被害に遭う可能性があります。
★利殖商法
ダイヤモンドのパンフレットが送られてきた後に、「ダイヤモンドのパンフレットが届いていないですか?パンフレットが届いた人にしか買う権利がないのです。」と電話がかかってきて、信じてしまい被害に遭った。 |
・お金に対する不安につけ込む詐欺です。
・業者が実際にダイヤモンドを届けに来たので信じたそうです。そのダイヤモンドは全く価値のないものでしたが、対面すると人は安心するようです。
・最近では老人ホームの入居権利などのパンフレットが届き、「困っている人がたくさんいるので、是非譲ってください」と親切心につけ込む悪質な手口も多くみられます。
★送りつけ商法
高齢者の家に身に覚えのない商品が代引きで届いた。 商品が届いた時に、たまたまヘルパーの方が来られていて、受取を拒否してくれたため、被害を防ぐことができた。 |
・ヘルパーの方は、研修で、送りつけ商法の対処方法を勉強していたそうです。
・身に覚えのない商品が届いた時には、受取を拒否してください。その際、送り主の住所、会社名、電話番号を控えておき、消費生活センターに連絡してください。
◇お互い様の気持ち
・悪質業者は社会の動きに敏感で、あの手この手と巧みに言い寄ってきます。
「私は大丈夫」と思っていても、錯覚したり、思い込みで信じてしまうこともあります。誰でも騙される可能性があると思っていてください。
・見守りは、特別なことではなく、「お互い様」という気持ちのご近所同士での声の掛け合いや、周りの方々のちょっとした気づきです。
そして、何かあれば相談してください。トラブルの相談は早ければ早いほど解決につながります。
◇参加者の感想
・家族や地域の見守りが本当に大切だと思った。平素からの関わりを大切にしていかなければならない。
・「あら、ちょっとおかしい」と周りの人が思うことが大切。
・何でも話せる、相談できる地域。詐欺の手口など情報が伝わる地域になるためには、高齢者を含め話し合いの場をもつ、あるいは訪問を含め付き合いの頻度を高めることが必要だと感じた。
・地域の皆で、お互い様の気持ちを持って助け合うことが必要。
民生委員児童委員協議会の定例会では、最初に「民生委員児童委員信条」を皆で唱和されます。背筋がピンとするような緊張感があり、民生委員児童委員の方々の「地域のために」という心構えが伝わってきました。研修で学んだことを生かし、見守り力を高め、地域の皆様の心強い味方になってくださると確信しました。