高齢者施設の入居規約に定める退去時の原状回復に関する規定について、解釈・運用によっては利用者の責に基かない自然損耗による取替え費用についても利用者の負担とし、預り金から差し引かれるとなるなら、消費者の義務を加重し、また、利益を一方的に害するため、無効と改善を求め申入れをしました。
申入れ活動の一覧(交渉内容、事業者の対応等)
☆2026年3月6日 終了通知書を送付しました。
当法人からの申入れを踏まえて利用契約書を修正されたことを受け、申入れを終了する旨を通知しました。
☆2026年2月19日 回答書を受理しました
当該条項を修正した規約をFAXで受理しました。
☆2025年10月10日 社会福祉法人古家真会にご連絡を送付しました。
改訂のための文言について、当法人は監督機関でもなく指示指導する立場ではないことを伝え、申入れの趣旨を踏まえたものであれば理解できる旨を通知しました。
☆2025年8月22日 代理人弁護士より回答書を受領しました。
申入れの趣旨に従う意向はあるが、どのように文言を修正すればよいか指示を求める内容の回答。
☆2025年8月8日 社会福祉法人古家真会に申入書を送付しました。
これまでの当該事業者の回答を踏まえ、「乙の責による物か否かを問わず」と、原状回復の費用を負担しなければならない旨を定めた本件条項を削除し、消費者契約法第10条に適合するよう改めるよう申入れしました。
☆2025年4月28日 代理人弁護士より回答書を受領しました
2月5日付回答書で質問した事項の回答依頼と、当消費者ネットの見解に誤解があるとの回答。
本件条項と敷引き特約を比較した際に、入居者から退去時に預り金から控除する点で両者は性質として同一であり、最高裁判決の射程が及ぶものと考える。そのうえで理由が明示されており、敷引き特約より入居者に寄り添ったものである。入居前に費用負担について合意されれば、法に反するものではないし、一般の賃貸住宅のように賃料を自由に設定できない福祉施設の状況や社会的意義も踏まえて考慮いただきたいとの回答。
☆2025年4月8日 社会福祉法人古家真会に再質問書を送付しました。
当該規約第18条は「原状回復の義務」という見出しにおいて、前段は利用者の責に基づく場合、後段は前段を踏まえての契約解除または終了時の費用負担について定めており、全体として利用者の原状回復義務に関する規定と思われる。さらに別紙記載の費用負担の金額は使用状態や物価変動によって増加するとされ、預り金から控除される金額は一定額でないことが想定されるとすれば、預り金から一定額を控除して残額を返還する「敷引特約」とは明らかに異なり、主張には賛同しかねると異議を唱え、あらためて当該条項の運用等について再質問をしました。
2025年2月5日 当該事業者から依頼を受けた代理人弁護士より回答書を受領しました
当該条項について、敷引き特約に関する判例をもとに、賃料の額に照らし格別高額でない限り、消費者の利益を一方的に害するものではないと反論。何をもって「明らかに無効」とされたか詳細な理由を示せよとの回答。
☆2025年1月24日 社会福祉法人古家真会に再質問書を送付しました
改訂された入居規約第18条の後段について、施設側の責によるものも利用者が費用負担しなければならないと解されるとすると、該当部分は消費者契約法第10条により、消費者の義務を加重し、消費者の利益を一方的に害するものとして無効になることは明らかと考えるがどうか、と質問。
☆2024年11月18日 社会福祉法人古家真会より回答書を受領しました
11月12日より以下の通り改訂したとの回答書を受理。※以下、原文のママ 別紙費用は省略
第18条(原状回復の義務) 乙(利用者)は目的施設及びその備品について、乙の責に基づき汚損、破壊もしくは滅失したとき、又は甲(当該事業者)に無断でその居室の現状を変更した時は、直ちに自己の費用により現状に回復するか、又は甲が定める代価を支払わなければならない。乙は、この契約を解除又は終了した場合において、乙の居室を甲に明け渡す時、修理もしくは取替えを要する場合、乙の責によるものか否かを問わず、別紙記載の壁紙クロス張替、ハウスクリーニング、畳表替等の費用は乙が負担しなければならない。
☆2024年10月29日 社会福祉法人古家真会に再質問書を送付しました
規約ないし運用の変更について協議・対応されたかどうか、変更された場合は変更後の規約等の提供と、未だ変更されていない場合は変更の予定について回答いただくよう再質問書を送付。
☆2024年9月24日 社会福祉法人古家真会より回答書を受領しました
これまで入居規約に基づき個別事案ごとに預り金の清算を行っており、入居者とのトラブルはない。この度の質問書の趣旨を踏まえ、あらためて規約ないし運用の変更について慎重に協議・対応したいとの回答。
☆2024年7月24日 社会福祉法人古家真会に質問書を送付しました
高齢者施設の入居規約第18条に定める退去時の原状回復に関する規定について、①現在も使用しているか②自然損耗等の利用者の責に基かない部分の修繕費等の利用者負担を求めているか、また③負担を求めている場合の根拠について質問書を送付。